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茶の木には多くの種類があります。
その中で、私たちが普段飲んでいるお茶を考えるうえでまず押さえておきたいのが、
Camellia sinensis var. sinensis(中国種)
Camellia sinensis var. assamica(アッサム種)
そして、その近縁種 Camellia taliensis(大理茶)
中国種とアッサム種は、どちらも Camellia sinensis の変種。一方、タリエンシスはその近縁にあたる別種で、中国では「大理茶」と呼ばれ雲南を中心とする中国南西部などに自生しています。タリエンシスが今も野生集団を残している茶だとすれば、シネンシスは人間が長い時間をかけて栽培し、選び、世界へと広げてきた茶。いわば「人間と一緒に進化してきた茶」です。
現在、私たちが飲んでいるお茶のほとんどは Camellia sinensis からつくられています。緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶、黒茶。製法や産地が違っていてもその多くは同じひとつの種につながっています。
一方、タリエンシスからつくられるお茶はごくわずか。ただ、それはタリエンシスがシネンシスより味や香りに劣っていたからではありません。長い栽培化や品種改良、流通の歴史のなかで、シネンシスの方が人間に広く利用され、世界へと広がっていったということのようです。
タリエンシスは決して日本と無関係な茶ではなく、例えば鹿児島県枕崎で育成された日本の新しい茶品種「サンルージュ」(2011年登録)には、その祖先に Camellia taliensis の系統が入っていたりします。つまりタリエンシスは雲南の山に残る「野生の茶」というだけではなく、現代の茶の育種や私たちがこれから出会うお茶の多様性にもつながっている存在と言えます。
私たちがいつも「お茶」と呼んでいる世界の中には、まだあまり知られていないお茶たちの世界があります。普段口にする一杯のお茶がたどってきた長い歴史に思いを馳せてみるのも楽しいかもしれません。
※ 写真はカメリア・タリエンシス(大理茶)の茶葉です。